無口な担当医は、彼女だけを離さない。



ずっと自分の人生に対して自暴自棄だった私にとって未来なんて考えたくもなかったから。


でも今は違う。ちゃんと大学を卒業して、自分1人で生きていけるように頑張ろうという向上心が生まれた。



「なんか栞麗、ここ最近で1番生き生きしてるね」



日和にもそう言われた。未来のことを考えるだけでこんなにも日常が変わって見えるなんて知らなかったな。


興味のある職業のことを調べたり、資格の勉強をしてみたり。


そんなことを毎日していたらあっという間に夏休みは後半。8月半ばになっていた。



「先輩、なんかいいことあったんすか」

「えっ?なんで?」

「なんか最近すっごいかわいいから。え、男っすか」

「だからなんもないし男じゃない。何急に…」