無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「え~この子が例の栞麗ちゃん?超かわいい!」

「えっと、」

「栞麗ごめん!1個前のお店で結衣達が隣で飲んでた4人と仲良くなっちゃって一緒に飲むことになった…」

「あ~なるほど!ううん、全然大丈夫だよ」



小声であまりにも申し訳なさそうに言う日和。


合コンなんてよくあることだしなんでそんなに謝るんだろうと不思議に思っていると日和は私だけに聞こえるようにそっと耳打ちしてきた。



「実は、さ…医者みたいなんだよね」

「ん?」

「あの4人、全員。うちの医学部のОBで…」



やっと日和が異様に申し訳なさそうな顔をしていた理由が分かった。


あ、でもどうしよう。わざわざ医者を避けて3年間生きてきたのにこんな所で関わることになるとは…。



「ほんとごめん…栞麗、嫌だよね?私が勝手に結衣達に話すのも違うなって思って言えなくて」

「日和は悪くないよ、気にしないで。大丈夫だよ病院じゃあるまいし」

「ほんとに?」

「うん」