無口な担当医は、彼女だけを離さない。



トイレの中で死なれてても困るし一瞬行こうか迷ったが普通に考えて初対面の男がいきなりトイレの前にいたら怖いだろうと思い待つことに。


しばらくして帰ってきたときの顔色は最悪。夜中に見つけたら怖いレベル。


そのまま1人で店を出て行ったので俺は後を追った。



「おい」



いかにも苦しそうな顔で振り向いた。


そんなんで帰れると思ったのがすごいわ。


しかし彼女は送ると言っても頑なに拒否し、挙句の果てには走って逃げたのだ。


酔っ払い病人の速さなんてたかが知れてるのですぐ追いついたが、明らかに呼吸の仕方がおかしい。


呼吸器内科専門の俺はすぐに喘息の症状だと気が付いたので背中をさすろうとすると。