無口な担当医は、彼女だけを離さない。



世那side


彼女の第一印象は死にそうな顔してるやつ、だった。


仕事の帰りの同期達の飲み会でたまたま合コン化したあの日。


帰りたいながらに2軒目の店に行くと、そこに彼女はいた。


友達によるとここの居酒屋でバイトをしているらしい。



「ごめんなさい、遅くなりましたっ」

「大丈夫大丈夫!あ、生頼んどいちゃったけど栞麗ちゃん飲める人?」

「あ…大丈夫、です!」



馬鹿か瞬太。明らかに体調悪そうなやつに最初から酒飲ましてんじゃねぇよ。と心の中で思う。


でも本人は思いのほか早いペースで飲んでいたから大丈夫なものだと思ってしまった俺。


しかし1時間くらい経った頃、トイレに行ったきり20分以上返ってこなくなった。