無口な担当医は、彼女だけを離さない。



大学の授業を通して同じ学部の日和と知り合い、自分の過去のことを話せるくらいまで仲良くなれた。


ここまで聞くと私はすっごく可哀そうな人だと思われがちだけど、別にそんなことはない。


生前お母さんはたくさん私を愛してくれたし、時間はかかったけど今こうやって仲のいい友達も出来た。


ただ1つ過去のことで支障があるとしたら人を中々信用できなくなってしまったこと。


もちろんあれから病院には行けていないし、医者以外の人のことまで疑って入る性格になってしまった。


だから私はこれからも病院に行く気はない。



「てか何回聞いても気持ち悪すぎでしょ、その医者。施設の人もだけど私一生許さないから」

「だから、なんで日和がそんなに怒るの」

「当たり前だよ!私の大事な栞麗に酷いことしたんだよ、許せるわけない」