無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「その話だと聴診とかも嫌だよな」

「はい…」

「服の上からとかの方が良かったりする?」



あ…それなら大丈夫かも。


そう思い私は頷く。



「了解。じゃあ聴診の時は服の上からで」



柊さんはパソコンに文字を打ちながら診察の仕方を確認していく。



「で、薬だけど…今日はまだ飲んでないんだっけ?」

「はい…」

「ちゃんとご飯も食べないとまたぶっ倒れるぞ」

「あんまり…食事は好きじゃなくて」

「だとしても最低限のカロリーは取れよ。じゃないとほんと危ないから」



食事が好きじゃないのは、生きるために必要な行動の1つだから。


心の中では消えたいって思ってるのに体は生きようとしてるのが気持ち悪くて大体1日1食しか食べない。