無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「あー…ちょっと発作出てるな。これ飲める?」



やっぱり隠そうとしても世那くんには全て筒抜け。


体を起こして薬を飲むも無理矢理抑えようとしたせいで更に喘息が悪化してしまった。


あれ…今まで発作が起きた時どうしてたんだっけ。1人の時にも発作は起こしたことあるはずなのに。



「栞麗、急がなくていいからゆっくり息吸って」



私は苦しさのあまり我を忘れて世那くんにしがみつく。


きっと同時に涙も出ているから余計苦しいんだ。乱れた呼吸と涙のせいで意識が飛びそう。



「…あ、瞬太?ごめん今から外来いける?ちょっと栞麗やばそうだから連れ――」



すぐ近くで世那くんが誰かと話しているのが分かる。でも今の私に目を開けられる気力なんかなくて。


熱のせいで人間ここまでだめになるんだななんて他人事のように考えていたら、私の意識はまた途切れた。