無口な担当医は、彼女だけを離さない。



次の日私は早朝に施設長の人に呼び出され、小さな部屋で大人達にたくさん囲まれることに。


もちろんその中には清水さんもいた。


何がなんだか分からないまま、私は呆然と立っているだけ。


すると施設長は険しい顔で話し始めた。



「君…嫌がらせを受けているのか?」

「あ…はい。数か月前から」



その時にやっと分かった。清水さんがこの人達に報告してくれて一緒に解決しようと呼んでくれたんだと。


でも次の言葉で私は地獄に落とされた。



「名前も聞いたけど…あの子達は嫌がらせなんかする子じゃないんだ。君の過剰な想像じゃないかな」

「…えっ?」

「それに病院でも体を触られたって、今までそういうことは一切ない先生なんだよ。過去にもここの施設の子達はみんなあの先生に診てもらってきた。それなのにそんなこと…普通に考えてありえない。君もう高校生だよね?そのくらい分からないのかな」



世界が真っ黒に塗りつぶされて、色がなくなった気がした。


どうにかして言葉を理解しようとしたけど、意味が分からない。


医者に関しても嫌がらせに関してもこの大人達は本当に私の話を聞いたんだろうか。


そう思ってしまうくらいには混乱していた。助けを求めるように清水さんの顔を見る。


しかし清水さんは1回も目を合わせようとしなかった。ずっと俯いたまま私の方すらも見てくれなかったのだ。