無口な担当医は、彼女だけを離さない。



会って早々泣き崩れる私を、お父さんは責めなかった。


でも何回も何回も謝ってくれた。


こんなに泣かせてごめんね、とか泣いてる栞麗の頭も撫でることができなくてごめんとか。


私がほしい言葉はそんなものじゃなかったけどそのお父さんらしい言葉に少し救われた。


ベットの横の椅子に座っても尚涙が止まらない私を見てお父さんは笑う。



「栞麗、大きくなったな」

「だって…最後に会ったの6歳の時だよ?大きくなったどころの話じゃないでしょ。別人だよ」

「ほんとだな…母さんに似て綺麗になったよ」



あぁだめだ。今お父さんに何を言われても泣いてしまう。


俯くと目に溜まった涙がどんどん流れて、服に溶ける。


せっかく綺麗に仕上げたメイクもこの頃にはボロボロになっていた。



「栞麗、今…ちゃんと味方になってくれる人はいるか?」

「え?」

「近くに栞麗を守ってくれる人はいるか?いないなら…父さん安心できないよ」

「…お父さんが私の味方でいてくれるじゃん」

「栞麗…」



嫌だ。だめ。聞きたくない。お父さんが言いたいことだって分かってる。


でもそれを聞いたらお父さんはどうなるの。


また…私の前からいなくなっちゃうの?


そんなの嫌だよ…。やっと会えたのに。もっともっとお父さんと話したいこと沢山あるのに。