無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「わ…ほんとに変わってない」

「さっむ…バスどこ…」



線路、電車、プラットホーム。あまりにも簡素的な駅であることは3年前から何も変わっていなかった。


東京よりも明らかに寒い風と白い雪がが私達を打ちつける。



「ん?これだったっけ…」

「え、何何迷いそうで怖いんだけど」

「ごめん時刻表の見方がいまいち分かんなくて…でも多分合ってると思う」

「怖ぇ…」



正確性の全くない私の判断で乗ったバス。


乗っているうちにこの町に住んでいた時のことを少し思い出してきた。


ほんとに3年前までここに住んでいたとは思えないほど記憶がないのは…きっと気にする余裕もなかったんだと思う。


あの時は早くここから出ることしか考えていなかったし他のことなんてどうでもいいと本気で思っていた。



『次はー○○病院前ー○○病院前ーお降りのお客様はー』



「あっ、次だ」

「合ってたよかったわ」

「2択で外れる方がすごくない?」



初めて来る病院だった。地元で1番大きな病院ということしか知らない。


でも私が3年間住んでいた施設からも思ったよりも近かった。


ここにお父さんが…いるんだよね。こんなに近くにいたなら高校生のうちに会いたかったのに。