この名前を聞いたのは何年振りだろうか。その懐かしさに当時の感覚が蘇る。
世那くんから聞かされた名前は間違いなく私のお父さんの名前だった。
「やっぱりそうか」
「お父さん…なんて?」
「いやまだ流石に中は読んでない。栞麗が先に読むべきだろ」
「…そっか」
家に着き、少し早歩きでリビングに向かう。
机の上に置かれた1つの封筒。裏には本当にお父さんの名前が書かれてあった。
封筒を開ける手が震える。お父さんに言いたいことはたくさんある。
なんでいきなり家を出て行ったのか、今までどう過ごしていたのか、なんで今更こんなものを送ってきたのか。
でもまずはこれを開けないといけない。私は自分の部屋のベットに座りカッターで封筒を開けた。
そこには1枚の便箋が入っていて、2つ折りになっている。
私はそれを、そっと開いた。
