無口な担当医は、彼女だけを離さない。



今回の山本くんもそうだけどきっぱり気持ちがないことを伝えて私のことなんか早く忘れてくれた方がいい。


そのくらい私の気持ちはもう変わらないと分かっているから。



「あ、栞麗のお迎えももうすぐかな~」

「何それ。今日はバイトないよ?」



日和がそう言ったほんの数秒後。



ピンポーン



インターホンがなり、日和は誰かも確認せずにドアを開けた。



「え…世那くん⁈なんで」

「迎え来た。もう外暗いし」



そこにいたのはラフな格好をした世那くんだった。もしかして仕事帰りに来てくれたの…?



「私がお願いしたらもう着くって言われてさっ。はいはい荷物まとめる~」

「そろそろ日和を経由して私の情報流すのやめてよ」

「俺が頼んでんの。栞麗たまに連絡つかない時あるし」

「そんなことないし…」



確かに連絡をこまめに取るのにはまだ慣れないけど…だからって親友のこと使うってならないでしょ。


毎回そう思うけど日和も世那くんも辞める気は全くないみたい。漂う保護者感…。



「じゃあ栞麗のことお願いしまーす」

「また連絡するね、日和」

「はいはい」



日和の家を出るともう外は真っ暗。気が付かないうちに時間が結構経ってたみたい。



「な、迎えきてよかったろ」

「うん…ありがとう」

「そろそろ時計見る習慣つけなって俺何回も言ってるんだけどね~」

「ちがっ…日和と話してると時間すぐ過ぎるだけだよ。ちゃんと見てるし」