無口な担当医は、彼女だけを離さない。



『16時から予約取れたけど時間空いてる?』

「え、やった思いっきりバイトの時間じゃん」


行きたくなさすぎて思わずそう呟いてしまった私。


治そうとしてくれている柊さんには絶対に言えないけど嘘をつくのは心苦しかったからちょうどいい。



『すみません、その時間バイト入っちゃってて…』



そう返信すると思いのほか早く既読がついた。


きっとお昼休憩の時間だったのだろう。


そして既読がついてすぐになぜか電話がかかってきた。



「…もしもし」




恐る恐る電話に出ると。



「おい何考えてんの?」

「はいっ⁈」

「なんで熱あんのにバイト行くんだよ馬鹿か」

「えぇ…」



まさかのお説教。