無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「倫さん(芹沢)、お手洗い借ります」

「はいはいどうぞ~」



世那くんが席を外し私と芹沢さん2人。


完全に世那くんが見えなくなったところで芹沢さんは前のめりになって聞いてきた。



「ねぇ栞麗ちゃん世那のことどうやって落としたの?」

「ごほっ…えっ⁈」



思わぬ方向からの質問に飲み物を吹き出しそうになる。


でもそうか。やっぱり世那くんと付き合ってるのが私とか気になる要素しかないよね。



「いやびっくりしたんだよ世那から彼女できたって聞いた時。あいつモテるけど自分から付き合おうとなんかしなかったし」

「確かに…」

「でも栞麗ちゃんとは結構上手くいってるみたいだし。しかも世那の彼女史上1いい子。メンヘラ気質の子しか引き寄せなかったあの世那がねぇ」

「いやいや…ありがとうございます」



すみません芹沢さん…もしかしたら私も少しそういう気質はあるかもしれません…と心のなかで頭を下げる。


これについては少し世那くんの元カノさん達にも同情してしまう。


やっぱり世那くんくらい完璧な人と付き合うと常に不安というか…あ、世那くんに対する不安はないんだけど。


自分なんかが付き合ってていいのかなっていう気持ちになってしまうのはすごく分かる。



「世那ちょっと恋愛に冷めてるとこあるからなぁ。ほら、彼女に対する返信遅かったりとか」

「あー…今のところは大丈夫、です」

「えっまじで言ってる⁈」

「はい。むしろ私の方が遅くて怒られたりとか…」

「嘘⁈待ってそれは初めて聞いた!」



芹沢さんはかなり驚いて何度も聞いてきた。


逆に私は芹沢さんが驚いてる方が驚きなんだけど…。



「いやいや世那が仕事以外で返信早いなんてないけど」

「そうだったんですか⁈てっきり世那くん誰にでもそういうのは早い方だと思ってました…」

「それ栞麗ちゃんにだけだよ絶対。うわむかつく~あいつどんだけ彼女のこと好きなんだよ羨ましいな!」