無口な担当医は、彼女だけを離さない。



***

ただいま16時55分。


あれから15時まで授業を受けて1度家に帰った。


流石に1ヶ月振りに会う彼氏にすっぴんスウェット姿を最初に見せるのはどうかと思うし一応身支度は完璧に。


そして今、病院の入り口に着いたところ。


あんなに世那くんに会えるのを楽しみにしていたはずなのにいざ病院に着くと…なんだか嫌な緊張感。


もう約束の時間の5分前だし、早く中に入らないと。分かってるけど、足が動かない。



「…栞麗、ちゃん?」



後ろから女の人の声が聞こえて振り返る。



「優愛さん…」

「久しぶり!会えてよかった…私ずっと栞麗ちゃんに謝りたくて」



いきなり話しかけてきたと思ったら次は謝る?


何のことだか全く分からない。けれど優愛さんの顔は真剣だった。


でも私と優愛さん、謝られるほど会ったことないのに。


ほんとに、なに…?


まさか世那くんのこと?もしかして優愛さんにも私達が距離置いてるって知られちゃってるのかな。


険悪にしちゃってごめんね~でも世那くんは私がもらうから、ってこと?


なんて性格の悪い私は色んなことを想像してしまったけど、実際の優愛さんはもっと誠実な人だった。