無口な担当医は、彼女だけを離さない。



病院は17時から。それまではいつも通り大学の授業がある。


正直山本くんとはどんな顔で会えばいいのか分からなけど本人もなかったことにしてって言ってたし…なるべく忘れないと。



「ってやばメイクなんかしてる時間ないし」


「ちょっと栞麗もう出るよ!はやくはやく」



起き上がるまでだいぶ粘ったせいでで時間はギリギリになってしまった。


完璧に準備が終わっている日和と対称に私の格好はボロボロ。


急いでかばんに大量の教科書を詰め、髪は1つにまとめ、顔はマスクをしたらOK。


服装は部屋着のスウェットに黒のアウター。最近はずっとこれ。


何とか準備が完成し、私は日和と一緒に家を出る。



「うぅ…さっむ」

「栞麗まじでそんなことしてる時間ないから」



ポケットに入れたスマホで時間を確認。授業開始10分前だった。