無口な担当医は、彼女だけを離さない。



…そうでした。



「じゃ、また明日。時間決まったら連絡する」

「はい、失礼します…」



そう言って私は柊さんに背を向けて歩いた。


あ~やっと病院から出られた…。


やっぱり昔のこと、吹っ切れてないんだなぁ私。


記憶を消せる薬があるのなら、今すぐに飲みたい。


たとえお母さんとの記憶まで消えてしまっても。


今となってはお母さんとの記憶も忘れちゃった方が楽なのかもしれない。