無口な担当医は、彼女だけを離さない。



大丈夫。きっといい答えを出せるはず。


もう恋愛に怯えていたあの時の自分とは違う。



「じゃあ…おやすみ」

「おやすみ」



電話を切るのは毎回私。そのまま放置してると世那くん、永遠に切らないから。


今日もやっぱり世那くんは自分からは電話を切らなかった。



「よく頑張った栞麗!」

「うわっびっくりした何…」

「もうここからは自分がどうしたいかだけ考えな!そしたらどう転んだって上手くいく!」



お風呂から上がったらしい日和にいきなり抱き着かれそんなことを言われる。


この大学3年間の私を見てくれていた日和に言われると説得力しかない。


少しは私も変われているはず。



「私は栞麗が選んだ方を応援するし!恋愛も進路も全部!」

「ありがとね日和」



この1ヶ月、ずっと考えてた。


こんなに苦しくなるなら恋愛なんて一生したくなかったとか


でも世那くんに出会ってなかったら私どうしてたのかなとか。


いっそのこと世那くんのことを記憶から消したいとも思った。


けどそれは違う。


そうやって自分の気持ちから逃げて相手をないがしろにしたから…ずっとお母さんのことを後悔することになったんだ。


もう絶対に同じ過ちはしない。そのために私は生きる。そのことを教えてくれたのも、世那くんだった。