無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「ん、了解。じゃあ10日の17時からで」

「はい、お願いします…」



もうこれで業務連絡は終わり。


どうしよう、もう電話が終わっちゃう。


でも今世那くんのことを引き留めておいて何も言えないし…。



「…元気してるか」

「えっ…あ、うん。それなりに」

「距離置くっつってもこんなに連絡取らないとは思わなかったけど」

「ご、ごめんなさい」

「まぁいいよ、俺はいつでも。栞麗のいい時で」



私があたふたとしているうちに先に世那くんが話を振ってくれた。


久しぶりに聞く優しい声。その声を聞いた時、じんわりと心が満たされていく感覚になった。


やっぱりこのままじゃだめだ。答えを出さないと。



「世那くん」

「ん?」

「年末…空いてる日、ある?会って話したいの」

「…うん。分かった。次栞麗が病院来る時までに確認しとく」