無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「お待たせしまし…」



シャッと音がして、カーテンが開いた。


その瞬間に柊さんと目が合う。


私はすぐに目を逸らして手で顔を覆うけれどもう手遅れ。


最悪だ…すぐ泣く女は嫌われるっていうし絶対面倒くさい患者だと思われてるんだろうな。


マイナスなことしか思い浮かんでこなくて、更に涙が勢いを増す。



「あ、ごめ、なさいっ…なんか、とまんなくて…ほんと、ごめんなさ、い」

「…謝んなくていい」



柊さんは昨日と同じ口調で言った。


事務的な声じゃないから少し医者感が減って安心する。



「入院…やめとくか」

「え…でも」

「その代わり今後1週間毎日診察来て。あと酒は禁止。普通に考えて薬飲んでるのに飲むとかありえないから。あとは…今日薬出すからちゃんと何か食べてから飲むこと。ゼリーとかだけでもいいからちゃんと食べろよ」

「は、い」



柊さんは薬を飲む時の注意事項を話し、私のおでこに手を当てた。


まさか触られると思ってなくてびっくりしたけど、不思議と嫌な感じはしなかった。