本当は6時間あけなくてはいけないけれどこの調子じゃ夜までもたないので新しい薬を無理矢理入れ込む。
「それ、市販の風邪薬?」
「そうだけど」
「私何回も病院行きなって言ってるじゃん、治ってないんでしょ?」
「まぁ…ね」
「医者にいい思い出ないのは分かるけどさ、そのまま悪化する方がしんどくない?」
日和の言う通り、私は喘息持ちではあるが病院には通っていない。
理由は医者にいい思い出がないから。
思い出したくもない、私の暗黒時代の話。
私は元々母子家庭で、お母さんは片親ながらも頑張って私を養ってくれていた。
その頃は定期的に病院にも通って薬を貰っていたし、分かりやすく悪化することはなかった。
しかしそんなお母さんは私が15歳の時に他界した。過労だった。