世那くんに抱きしめられてるから顔は見えないけど明らかに困っているのが分かる。


ごめんね世那くん。こんな面倒くさい女でごめん。


何か言われたわけでも何かを見たわけでもないのに…どうして私はこんなに弱いんだろう。



「俺がお前との約束置いとくわけねぇだろ…考えろよ」

「だ、って…瞬太さん、とかも行きたそうだった…」

「そしたら瞬太達だけ行けばいいじゃねぇか俺は行かない」

「うぅー…」

「あぁもう泣くなよ…お前に泣かれるとどうしていいか分かんないんだって」



だよね。世那くん私が泣いたらいっつも困った顔するもんね。


意外とその顔も好きで私だけならいいななんて。


こんな時なのにそんなことを考えてしまう私は最低だ。



「…ごめんな。ゆ…葉月は元カノ。大学の時2年間くらい付き合ってた。でも今はお互い何も思ってないし」