無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「斎藤、さん…?」



突然人のいない場所のはずが声をかけられた。


恐る恐る顔をあげるとそこにいたのは…山本くん。


なんで…と思いつつもそこまで関わりのない同級生にこんな姿を見られたことが恥ずかしすぎて更に涙が溢れてくる。



「大丈夫?ゆっくり深呼吸しよ。大丈夫だよ」



山本くんの口から出たのは発作を起こした時に世那くんから聞く言葉と同じだった。


発作の時に聞く落ち着いた言葉ほど安心するものはない。


山本くんのおかげもあって数分で発作は落ち着いた。



「ごめ…ん。こんなとこ」

「俺の方がごめんね。でもすごく苦しそうだったから…もう、大丈夫?」



私は涙を拭きながら首を縦に振る。


まだ見られたのが山本くんでよかった。落ち着いて声をかけてくれたし。