無口な担当医は、彼女だけを離さない。



なぜか涙が滲み出てくる。これは…なんの涙なんだろう。


不安なのか悔しさなのか分からない涙が頬をつたっていく。


とりあえず人目のつかないところに言って落ち着こう。大丈夫、ちょっと動揺してるだけ。


そう言い聞かせないと崩れてしまいそうだった。



「はぁっ…ぁ、っう…」



人の歩いていく逆方向を走っていくと中庭のようなところに出た。


人気のない中庭の地面に私は腰を下ろす。


やっぱりまだ走るのは慣れない。


人生で持久走なんてやったこともないし体育もあまり動きのないものだけ参加してたから本当に体力がないことを実感する。



「ごほっ…っう、はぁ」



泣きながら走ったからか軽く喘息の症状が出ている気がする。


落ち着かなきゃと思いつつも涙は止まらない。


最近は比較的安定していたから久しぶりも発作。何回経験しても苦しいものは苦しい。