無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「ま、ま。全員揃ったことですし。乾杯しますか!」

「おー!!」



やばい、嬉しくて泣きそう…。


実は夢だった。唯一毎年お祝いしてくれていたお母さんが亡くなって、高校時代は誕生日なんか意識しなくなった。


大学に入ってからは日和がお祝いしてくれていたけどこんなたくさんの人にお祝いされることなんてなかったから。



「何、泣く?」

「な、泣かないです」

「あーそう、うるうるしてるけどねぇ」



いちいちこういう所ばっかり気が付くのがむかつく。


むかつくけど…嬉しい。



「あ、栞麗飲み物何にす…」



私は世那くんの言葉を遮って抱き着いた。…軽く頭突きも入れた。


いつもなら怒られるくらいの頭突き。でも世那くんは何も言わなかった。



「…んだよ」

「ありがとっ…」

「いーえ」