無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「お前家どこ」

「は、え…?」

「送るから。教えろ」



え~…この人面倒くさい…。


せっかく他の人達にはバレなかったと思ったのになんでよりにもよってこの人にバレるかなぁ。



「ごほっ…だいじょぶ、です。いえ、近い、です」

「いや無理だろ、お前自分の状態分かってんの?」

「ほ、ほんとに!大丈夫、なのでっ。では…」

「おい待てよ」



も~追いかけてこないでよ。


なのに柊さんは頑なに送ろうとするので私は走った。


もうどうにでもなれと思った。走って喘息が酷くなろうと、それで死のうともういいや。


私の人生もう十分。なんか疲れちゃった。


そう思うといつもより走るのが楽しかった。


なのに柊さんに追いつかれてしまい、強制的に止まらせられる。