無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「先輩⁈ごめんなさい俺キッチンにいて気づかなくて…!」

「ごめん後輩くん、栞麗この後ちょっと無理そうだから連れて帰るわ。誰かに伝えられる?」

「はい、それは任せてください。先輩のこと、お願いします…」



大丈夫、出られるよ。そう言おうとしたけど声が出なかった。


足に力も入らないし、結構きちゃったみたい。



「今日は俺達も帰るか。世那、栞麗ちゃんのことお願いな」

「はいはい。…栞麗立てない、よね」

「ううんっ…たて、る」



流石におんぶされて帰るのも気まずすぎるし、頑張って立たないと…。



「ふ、無理じゃん」

「え、わっ!」



立てない私を見かねたのか世那くんは軽々と私を持ち上げた。