無口な担当医は、彼女だけを離さない。



瞬太くんが止めに入るけど世那くんはまだ手を放そうとしない。


待って、世那くん違う。


私世那くんに殴ってほしいわけじゃない。


世那くん。



「待て世那。手出したら不利になるからやめとけ」



侑李さんの冷静な言葉で我に返った世那くんは男の人を放した。



「めんどくせぇな…」



それと同時にさっきの男の人達はお店から出て行った。



「栞麗」



世那くんに抱きしめられると安心感からまた涙が溢れた。


世那くんの匂いだ、あったかくてもっと泣けてくる。


さっき触られた感覚とは全く違う。世那くんにしか私は触られたくない。



「ごめんなー…怖かったな」

「っう…も、無理だとおもっ、た…」

「俺来るの遅かったな。ほんとごめん。怪我は?ない?」



私は涙で何も見えない目を開けて、首を横に振る。