無口な担当医は、彼女だけを離さない。



だめだ。今日はもう帰ろう。


このままここに居座り続けて人の前で倒れるなんて笑えない。


とりあえず日和にだけ一言声をかけて、静かに帰ろう。


私は最後の力を振り絞ってトイレから出た。



「ちょっと栞麗大丈夫?体調悪いんでしょ」

「ごめん日和、私今日帰るわ」

「ちゃんと1人で帰れる?」

「うん、大丈夫…あ、これ飲んだ分。渡しといてくれる?」



心配そうな日和だったけど、これ以上迷惑をかけるわけにもいかないのでお金だけ渡してお店を出る。


あー、やばい。多分私今まっすぐ歩けてない。


これじゃ完全にやばい酔っ払いだな…。



「おい」



ふらふらと歩いている私の手を誰かが掴んだ。


振り返った先にいたのは…あの一番不愛想な人。なんだっけ、柊、さん?