無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「今更泣かれても。外出るよ」

「はい歩いてー」



私はその人達に従うしかなくて。気がついいたらお店の外にいた。



「ほら早く歩いて。それともここがいい?みんなが見てるけど」

「…なして、くださ、い…」



世那くん、世那くん、世那くん…。


お願い、ここにいるはずないけど…世那くんしかいないんだよ。


じゃないと私…この人達にこのまま襲われる…。


自分じゃ逃げきれない弱い彼女でごめんね、次こういうことがあったら1人で逃げれるようにするから。


だからお願い、今日だけは助けて…。


ダメ元でずっと世那くんのことを考えていた。世那くんがヒーローみたいに飛んできて、私のこと助けてくれないかなって。


泣きながらそんなことばかり考えていた。


すると男の人の力が緩まって、私から離れたのが分かった。