無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「…ごほっ、う…っは」



飲み始めて数時間。気持ちよく酔える量を超えてしまったのだろう。


普段飲まないくせにいきなり大量のアルコールを体に取り込んだら、そりゃ気持ち悪くもなる。


お酒のおかげで忘れていた喘息も更に酷くなって戻ってきた。


酷くなりすぎてトイレの個室から出られない。こんな状態どうしようもない。



「薬…」



咳も止まらないし酔いのせいなのか頭痛も酷いのでもう頼れるものは薬だけ。


ポケットに入っていた薬をある分全て口の中に入れてしまった。


普段ならこんな馬鹿な行動絶対にしないけれど、人間は限界まで追い詰められるとよく分からない行動をしてしまう。


きっと更衣室で薬を飲んだ時から3時間も経っていないし、むしろ悪化するのは当たり前だった。