無口な担当医は、彼女だけを離さない。



***

「おい」

「わっ…びっくりした」



家に帰り、私はすぐにお風呂に入った。


洗面所から出ると柊さんが目の前に立っていて思わず後ずさる。


やばい。好きだって自覚すると完全オフモードの柊さんのこともかっこよく見えてくる。


むしろこっちも…じゃなくて。


さっき人のことを叩いてしまった人間がこんなことで浮かれちゃいけないでしょ。



「どうしました?」

「あーいや別に。なんか思ったより普通だったわ」

「ふ、なんですか。今日も普通ですよ」

「後で一応聴診するからリビング来いよ」

「はーい」



びっくりした。顔には出していないつもりだったけど柊さんのことだからバレちゃったのかと思った。


まぁ流石の柊さんでもそこまでは気づかないよね。



「あれ、明日なんも予定…ない」



スマホのカレンダーを見ると私には珍しく何も予定が入っていなかった。


予定って言っても大体バイトか大学かだけど。


久しぶりに何もない日に何をしようか考えながら私は髪を乾かした。