無口な担当医は、彼女だけを離さない。



席に着くと既にビールが1杯。


しまった。確かにさっき乾杯しておいてとは言ったけれど…。


流石に目の前にお酒がある状態で自分だけ飲まないわけにもいかず、私は少しずつ手をつけることにした。



「よし、栞麗ちゃんも合流したことだし俺らの自己紹介するね!えっと、川崎瞬太!呼吸器内科専門!」

「佐々木侑李です。同じく医者で救急医」

「心療内科医の深川海斗です、よろしくね」



向かい側に座る男の人達がそれぞれ自己紹介をする。


とてもフレンドリーな人もいれば落ち着いていてまさに大人という感じの人もいてみんなタイプがばらばら。


しかし最後の1人、私の目の前に座っている人が黙ったまま。


ノーセットなのか少しぼさっとした髪と1㎜もあがらない口角。


何も言葉を発さなくてもこういう賑やかな場が嫌いなんだろうな、という感じが伝わってくる。


私もどちらかと言えばそちら側だし気持ちは分かるけどここまであからさまに態度を悪くされるといい気はしない。



「えーと。こいつは俺と同じ呼吸器内科医の柊世那!ちなみに俺達はみんな同期で28歳。」