「っ、ばか……っ、当たり前じゃない」


「ははっ、俺ばか?」


「降谷くんがっ……いないと……全然違うの……っ」


嗚咽混じりでも、ちゃんと聞き取ってくれる。


「うん、ごめん。さては詩織の頭の中、俺でいっぱいだったろ!」


普段は重苦しそうな病室のイメージ。


でもね。


降谷くんがいるだけで、どんな場所も、明るく、花が咲いたみたいになるの。


その隣に、私はずっと居たい。


「俺も、詩織がいなきゃダメになりそうだ」


少し震えた声で、私を優しく抱きしめる彼。