「……」


降谷くんは、何も答えない。


ただ、優しく微笑みながら私の話を聞いていた。


そうして、独り言のように降谷くんに語りかけていると、やがて、ちょうど6限目の終わる時間となっていた。


……もうこんな時間なんだ。


少し寂しくなって、空を見上げるけれど、まだまだ青い。


「……また、連れてきてくれる……?」


そう問いかけると、降谷くんは楽しそうに笑った。


「この降谷くんにお任せを!」


そう言っておちゃらける降谷くんは、私の問いかけに笑って答えるだけで、頷いてはくれなかった。


それが本当だということを悟ることさえ、私にはできなかった___……。