聖なる夜に王子様と初めての口付けを

「僕が、ずっと側に居るから」

この聖なる夜に、一度かけられたら、なかなか()けない、厄介な恋の魔法を、私は、目の前の意地悪な王子様から、かけられる。

もう一生、解けなくてかまわない。

苺の甘酸っぱさと蕩けるチーズの甘さに酔いしれながら、この小さな恋のぬくもりを大事に育てて、貴方と二人で、あたためていきたい。

ずっとずっと側に居て、離さないで。

素直になれない私だけど、うまく言葉にだせない私だけど、きっとこの恋が、私の最後の恋だから。

ダイニングテーブルに飾られた、小さなクリスマスツリーの電飾が、聖なる夜にキスを繰り返す私達を、クリーム色の仄かな灯りで照らし続けていた。


Merry Xmas!!

聖なる夜を過ごす全ての恋人達へ……


遊野 煌