ハンカチ…飛んでく…

え、ちょ、それって…

「遥斗、持ち主見つかったかも」
「え?」
「今、ハンカチの話が聞こえて」

振り向くと、もうそこには女子の姿はなかった。ただ、窓の下にさっきの風で吹き込んできた桜の花びらが飛び散っているだけ。

「あー遅かった」
「何してんだよ笑」
「うわー、せめて顔見とくんだった…。しゃーない、とりあえず部活の後輩に聞いてみるかー」