プール教室の指導をするためリカは水着に着替え「ひっ」と短い悲鳴を上げた。
更衣室の小さな鏡に映った自分の首元。
首から胸にかけての普段の生活ではちょうど死角になるような場所に小さな赤いあざが付いている。
水着で隠れるような隠れないような、そんなギリギリの位置。
見間違いかと思って鏡を覗き込んでみるも、やはり見間違いではない。
(これって、これって――キスマーク!)
とたんに羞恥で顔が赤くなる。
というか、全然気づかなかったことに驚愕する。
いつの間に付けられたのだろうと考えれば、まあ身に覚えはあるわけで……。
それにちょっと嬉しかったりもして……。
(いやいや、嬉しがってる場合か、私!)
慌ててTシャツを着て更衣室を飛び出す。
事務室に顔を出してみるも航太の姿はない。
「森下さん、どうかした?」
「航太先輩知りません?」
「航太ならプールだと思うけど」
「ありがとうございますっ!」
ものすごい剣幕で走って行ったリカを見て、杏介はポカンと首を傾げる。が、「ん?」と気づく。
「いつの間に名前呼びに……?」
後で航太を問い詰めてやろうと杏介はひとり微笑んだ。
更衣室の小さな鏡に映った自分の首元。
首から胸にかけての普段の生活ではちょうど死角になるような場所に小さな赤いあざが付いている。
水着で隠れるような隠れないような、そんなギリギリの位置。
見間違いかと思って鏡を覗き込んでみるも、やはり見間違いではない。
(これって、これって――キスマーク!)
とたんに羞恥で顔が赤くなる。
というか、全然気づかなかったことに驚愕する。
いつの間に付けられたのだろうと考えれば、まあ身に覚えはあるわけで……。
それにちょっと嬉しかったりもして……。
(いやいや、嬉しがってる場合か、私!)
慌ててTシャツを着て更衣室を飛び出す。
事務室に顔を出してみるも航太の姿はない。
「森下さん、どうかした?」
「航太先輩知りません?」
「航太ならプールだと思うけど」
「ありがとうございますっ!」
ものすごい剣幕で走って行ったリカを見て、杏介はポカンと首を傾げる。が、「ん?」と気づく。
「いつの間に名前呼びに……?」
後で航太を問い詰めてやろうと杏介はひとり微笑んだ。