「アンタレスがあるのは南。南を探してみて」
声をかけられ、絆は振り返る。そこには白いワンピースを着て、腰ほどまである長い黒髪の女性が立っていた。少し吊り上がった目に口元に小さなホクロがあるのが特徴的な可愛らしい人だ。
「光里姉!」
「こんばんは」
絆の隣の家に住んでいる従姉妹の光里は、十歳年上だ。曲がったことが嫌いで、男尊女卑なことを平気で言う親戚たちに言いたいことを何でも言えることができる。
「可愛げがない」
そう言われれば、「別にあなたたちに「可愛い」って思われたくないんで」と言えてしまう光里が、まだ幼い絆にはヒーローに見えていた。そのため絆は、光里のことが大好きだ。
「光里姉、今日はどうして来たの?」
絆が訊ねると、光里は頰を緩ませながら絆の子どもらしくふっくらとした頰を優しく撫でる。その目は、親戚に物を言う時とは百八十度違う優しい目をしていた。
「もう少ししたらロンドンに短期留学するの。だからその前に絆に会いたくて」
声をかけられ、絆は振り返る。そこには白いワンピースを着て、腰ほどまである長い黒髪の女性が立っていた。少し吊り上がった目に口元に小さなホクロがあるのが特徴的な可愛らしい人だ。
「光里姉!」
「こんばんは」
絆の隣の家に住んでいる従姉妹の光里は、十歳年上だ。曲がったことが嫌いで、男尊女卑なことを平気で言う親戚たちに言いたいことを何でも言えることができる。
「可愛げがない」
そう言われれば、「別にあなたたちに「可愛い」って思われたくないんで」と言えてしまう光里が、まだ幼い絆にはヒーローに見えていた。そのため絆は、光里のことが大好きだ。
「光里姉、今日はどうして来たの?」
絆が訊ねると、光里は頰を緩ませながら絆の子どもらしくふっくらとした頰を優しく撫でる。その目は、親戚に物を言う時とは百八十度違う優しい目をしていた。
「もう少ししたらロンドンに短期留学するの。だからその前に絆に会いたくて」

