意味不明彼氏



よし!

暴力で解決ではなく、話で解決しようじゃないか!


「ねえカフェ行こうよ?」


深波は笑っているけれど、目は笑っていない。


きっと今のあたしもそんな顔だろう。


深波は、小学生の頃は結構名の知れたヤンキーだ。

小学生のくせに…。

あたしはヤンキーじゃないけど、ヤンキーばかりとよく絡んでいた部活少女だった。


あ、これは全く関係ないね。


「だからあ、あたし彼氏いるんだって。勘違いされると困るからあ…」


高い声で、まさにオカマを連想させるような口調で喋り続ける。


「ふーん」


気付けば周りのみんなは誰もいなくなっていた。


え、蓮は!?


あたしはキョロキョロして蓮を探すが…


いない。


ひ、ひ、酷い!!

彼女が非常事態にあっているというのに、のんきに帰りやがって!!


あたしは、油断していた。