……なんで、名前…知ってんの。 「初めまして。佐藤葵です。」 ひとつお辞儀をしては、笑みを浮かべた。 そんな彼女に酷い嫉妬を抱いた。 「……雪村です」 「あの…。この前のは誤解なんです」 この前…。 誤解…? あたしは顔を歪ませた。 「あの…。お時間、ありますか?」 「ないです」 ……こんなの、嘘。 ただの嫉妬。 彼女は何も悪くない。 悪いのは、自分勝手なあたし。 「じゃあ、5分だけ下さい…っ」 …… 彼女の必死な瞳に、あたしは頷いた。