意味不明彼氏



* *


「あ、出てきた。みいちゃん、早く」

あたしと深波は、蓮が校舎から出たのを確認すると、バレないように後ろをついていく。


今日は、蓮は委員会の仕事とかで、帰る時間が遅かった。


だからあたしは早く帰ったふりをして、蓮を深波と共に待ち伏せをしていた。



「ねえ、蓮が何もなかったら、本当に近付かないんだよね?」

念のため、あたしは再度確認をした。


「当たり前♪でも、如月が女と一緒にいたら……分かってるよね?」



分かってるよね?

その言葉はきっと、俺と付き合え、と言っているのだろう。


でも、それはない。



腰で穿いたズボンに手を突っ込む蓮。


そして明らかに不機嫌な顔。

蓮は委員会の仕事は嫌いだから、きっとそんな顔になっているのだろう。



「すっげえ、不機嫌な顔」


深波は蓮を見ながら、そう言った。


こんな不機嫌な顔しながら、女のところに行く男なんて普通いないだろ…。


これで疑いは晴れたようなもんでしょ。