「もう、嫌。まんまとハメられたし……」


蓮は頭を抱えて、ため息をつく。


そ…、そんなに嫌だったのか…。


あたしに悪かったという気持ちが芽生えてきた。



「南……」


え……っ。


蓮は、あたしを呼ぶ。

しかも下の名前で。


いつもなら、雪村だから"雪"って呼ぶのに…。



蓮はあたしの瞳を真っ直ぐ見つめ、そのまま顔が近付いてくる。


……キスされる。


蓮の唇との距離は1cmもない。


あたしは、ゆっくりと目を瞑った。



………やっと、キス



される……。




ピンポーン