「着いたよ」


蓮の一言で、あたしは現実に引き戻される。


着いた場所…。


それは、病院の屋上。


………え?

でも、鍵がかかっている…。


「蓮…、鍵かかってるけど…」


そんな不安なあたしに蓮は、ジャラ…という光る物体を見せる。


「俺…ここの鍵持ってんだよね」


子供のように無邪気に笑いながら、蓮は鍵を開ける。


「こういうこと…していいの?」

「うん。犯罪だね」


悪気もなくサラッという蓮に、あたしは慌てる。


「は!?犯罪!?」

「でもバレなきゃ、罪にはならねえよ」


いやいやいやいや……。


そういう問題じゃないでしょ。