夜、優花とも連絡がついた。

まずは謝らないと。

「優花、先週は本当にごめんね。」

「ううん、いいのいいの。ま、はりきってたからちょっとショックだったけどね。」

相変わらず、明るくて温かい声が聞こえてきた。

ごめんね。

私ははじめ、優花を、優花の気持ちを思いやることなくアキと引き合わせようとしていたんだ。

自分自身が情けなくなるくらいに、嫌な女だった。

優花は遠慮がちに聞いてきた。

「で、あれからアキさんは？」

「うん。なかなか連絡がとれなくて。」

「そうなんだ。」

「今日ようやく連絡がとれたんだけど。」

「え？そうなの？」

「でも、色々話してたら、今は絵の方に集中したいって。だから、優花を紹介する話も今はできない状態なんだ。」

優花は小さくため息をついた。

「そっかぁ。」

「優花の気持ちを優先できなくて、ごめんね。」

「残念だけど、やっぱ絵に集中したいなんて言う辺り、芸術家っぽいよねぇ。所詮、私とは住む世界が違うって感じ。」

優花は、明るく笑った。

きっと、私に気を遣わせまいとして。

「ま、きっと縁があったらどこかで再会するかな？」

優花はのんびりとした口調で言った。

「うん、そうだね。」

優花の優しさに触れて、また泣きそうになる。