「既製品でも茉菜が着たら可愛いんだろうけど、もったいないじゃん？」
「確かに、高いもんね。」
「いや、値段じゃなくてドレスにもったいないってこと。」
「……え？」
「だから、オーダーメイドにしてもらおうと思って！！」
「え？オーダーメイド？どこからそんなお金が出てくるの？」
「え？この舞踏会の主催者の投資家のお財布からだけど？」
「え？」
「常識の範囲内なら出してくれるんだって。まあ、あの投資家の常識狂ってるし？多少高くても行けるでしょ。」
「え、あ、え、」
「ほら、貰えるものは貰わないと！！！！」
投資家さん、うちの姫奈がすみません…、
「さっ、行こ？」
「え、あ、うん。」
着いたお店はすごくおしゃれで、もう少し綺麗な服を着てくればよかったと後悔した。奥から綺麗なお姉さんが出てきた。
「あ、予約した畠です。」
「畠さん。お待ちしておりました。2名様でよろしいですか？」
「あ、はい。」
「では、こちらへどうぞ。」
「茉菜？うじうじしてないで行くよ？」
「う、うん。」
お店の奥に行くと、そこには大量のきれいなドレスとたくさんの飾り、メイク用品が並んでいて、まるで映画のワンシーンのようだった。そして、その空間の中で私は姫奈のきせかえ人形になり、たくさんの色、種類のドレスを着ては脱いでを繰り返した。そして、それが終わる頃には
めちゃめちゃ疲れていた。