メイクを落として。鏡の中自分を直視できない。なんとなく、恥ずかしい…
リビングに戻ると、姫奈が自分のメイクボックスをごそごそしながら待っていた。
「っっっっ!!!!茉菜ちょーかわいい!!!え、天使?え、私天国にいる?私まだ生きてるよね?え?茉菜めっちゃかわいい、想像の100倍くらい可愛い。こりゃわざと変なメイクしてるのも分かるわ。」
「えと…、姫奈は何をしたいの…?」
「こりゃ決定だわ。茉菜、舞踏会に出席しよう。」「え?やだよ、」
「あなたに拒否権はない!!!出ると言ったら出るの!涼子を見返してやろうじゃないの!!!」
「えっ、えっ」
「まぁ、このかわいい天使が茉菜だって涼子は気づかないだろうし?行けるっしょ」
「え、なんの話…?」
「あ、そうだ。茉菜、今週の土曜空いてる?」
「空いてるけど…」
「舞踏会で着るドレス見に行こ!!」
姫奈の勢いに圧倒されて頷く。でも、少し楽しみな自分もどこかにいた。