明日、君はいない。




また同じ世界で


言葉を交わせるなんて、


また同じ世界で視線を交わせるなんて、


信じることなんてできない。




また失うことが恐ろしくて、怖くて。




君を想うことなんてもうできない。


もう二度と、その心に触れようと


この手を伸ばすこともできない。




きっとまた、君は行ってしまうんだ。


あの時みたいに。




私に痛みだけを置いて、


遠くへ、遠くへ、ずっと遠くへ、


もう二度と届かないところに、


また行ってしまうんだ。




知ってる。分かってる。


また繰り返すだけだって。




だから、夢なんて見ないと決めた。


希望なんて抱かないって決めた。


君のいるこの世界になんて。




きっと、私一人だけの世界と何も


変わらないだろうから。




君がいる世界も、君のいない世界も。




ただ、手の届かないものに


焦がれるだけで、切望するだけで、


それで終わりなんだ。




触れることも、見ることもなくて、


想い描くだけ。




それなら、信じないほうがいい。




何も手にすることなどできないと


分かっていれば、


傷付くこともない。


痛みを知ることもない。




君がそこにいないと、分かっていれば。


知っていれば。


もう二度と。そう、二度と。





明日、君はいない。




また明日も、そこに君の姿があるなんて


また明日も、君の声がするなんて、


信じることなんてできない。




失う悲しみをまた知るなんて、


もう耐えられなくて。




君を想うことなんてもうできない。


だから、もう二度と


君に触れようとすることもしない。




きっとまた、君は行ってしまうんだ。




今日そこにいても、きっと明日は。


明日そこにいても、きっと明後日は。




また、行ってしまうんだ。




私に痛みだけを置いて、


遠くへ、遠くへ、遠くへ、


ずっと遠いところへ。




また、あの時みたいに。





明日になったら、


君はまた行ってしまうんだ。