そんな風に悶々としたまま昼休みになった。今日は、授業の中で隣の人と話し合いましょう、みたいな時間がなかったから、挨拶しか出来ていない。けど、話しかけない、と。誤解を解いて、ちゃんと、分かってもらいたい、私のこと。

「…あの、橋本くん」

ガヤガヤした教室の中でも、私の声は隣に届いたみたいで、彼はこっちを見てくれた。

「あ…桜庭さん、どうした?」
「あの…あの、ね」

どうしよう、口を開いた途端、言おうと思ってたこと全部、飛んでっちゃったみたい。私が焦っていると、彼が口を開いた。

「待ってごめん、先謝っていい?」

「え…?」