この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



どうしてそんなに驚くんだろう。

……ていうか、名前を聞いてぱっと「チャラ男」って出てくるなんて。チャラいし胡散臭いとは思っていたけれど、やっぱりそうなんだ。しかも昔から。

黙り込んだあたしを見て落ち込んだと思ったのか、悠聖は大きな手をあたしの頭に乗せて、ぽんぽんと軽く撫でた。

軽くしてくれても手が骨ばってゴツゴツしてるから、ちょっと痛い。

「んー……なんていうか」

まとめるのが下手なあたしは、椎名とのことから宗司くんと遊ぶようになった経緯を順序だてて説明した。

こんな話が平気でできたのは、悠聖の雰囲気だと思う。話を聞いても、たぶん、別になんとも思わないんじゃないかと思ったから。

「へー……中学生も大変なんだな」

ほら、やっぱり。たいしたことじゃないとでも言いたそうに笑う。

そういえば悠聖って宗司くんとちょっと似てるかもしれない。

背格好が全然違うからぱっと見は似てないものの、よく見ると顔立ちはなんとなく似ている。末広二重のくりっとした目とか、筋の通った高い鼻とか、髪型とか雰囲気も。

兄弟とまではいかなくとも、実は従兄弟だとか言われても驚かない程度に。

チャラ男と聞いた直後に「似てるね」と言うのは失礼だから、口に出すのはやめておこう。

「宗司のこと好きでもなんでもないなら、ひとついいこと教えてやろうか」

「なに?」

「切るきっかけやるよ」

別に縁を切りたいわけではないけれど、切りたくないわけでもない。

そんなことを言われたら気にならないはずもなく、もう一度「なに?」と訊いた。

「あいつ女いるよ」